SQの収益機会を利用する -戦果編- 2018年9月

1月7日の記事で述べた戦略に基づき取引を行うプログラムを今日(2018年9月のSQ日)に稼働させた結果を報告する。

稼働結果

8時59分50秒時点で上方乖離している銘柄が15銘柄(下方乖離が5銘柄)存在したため、乖離率上位2銘柄(ミネベアミツミアドバンテスト)に修正後終値の2%上に売り注文を出した。しかし、2銘柄ともに9時30秒時点で約定していなかったため注文を取り消した。これはプログラムが9時30秒時点で未約定かつ買い気配の乖離率が2%未満のものを取り消しするように作ってあるためである。

プログラムの不備

このプログラムの仕様は意図と反するものであった。特別買い気配の場合9時時点で前日終値の付近から板寄せが始まるため、上記のロジックで注文の取り消しを行うと特別気配の銘柄はすべて取り消されてしまうことになる。

収益についての考察

プログラムの不備により取引ができなかったが、結果として正解だった。即ち、取引を行っていた場合、損失を出していた。仮に乖離銘柄すべてを同金額取引した場合0.81%の損失であった。

下表は上方乖離銘柄とその株価等である。ここで調整率は22,810/22,630 = 100795である。概算損益率は当日始値で売り建て、当日終値清算した時の損益率である。

code 会社名 前日終値 調整後終値 当日始値 当日終値 乖離率 概算損益率
6479 ミネベアミツミ 1,944 1,959 1,980 2,031 1.05% -2.58%
6857 アドバンテスト 2,230 2,248 2,297 2,341 2.19% -1.92%
8331 千葉銀行 680 685 684 693 -0.21% -1.32%
8725 MS&AD 3,318 3,344 3,394 3,423 1.48% -0.85%
2503 キリンホールディングス 2,783 2,805 2,830 2,798 0.90% 1.15%
2871 ニチレイ 2,842 2,865 2,892 2,832 0.96% 2.07%
3401 帝人 2,131 2,148 2,181 2,172 1.54% 0.41%
4021 日産化学 5,500 5,544 5,610 5,710 1.20% -1.78%
4452 花王 8,743 8,813 8,893 8,885 0.91% 0.09%
5108 ブリヂストン 4,079 4,111 4,172 4,149 1.47% 0.55%
5706 三井金属 2,870 2,893 2,920 3,030 0.94% -3.77%
6103 オークマ 5,620 5,665 5,710 5,970 0.80% -4.55%
6305 日立建機 3,295 3,321 3,360 3,360 1.17% 0.00%
7951 ヤマハ 5,560 5,604 5,650 5,680 0.82% -0.53%
9531 東京ガス 2,677 2,698 2,727 2,704 1.06% 0.84%

考察と今後

本日の日経平均株価始値は23,035.78円、終値は23,094.67円であり始値が上方に歪んでいたとは考えられない。即ち、8時59分50秒時点の気配から歪みを発見しようという意図は失敗したといえる。

また、8時59分50秒時点の最良買い気配が調整後終値よりも3%以上高い銘柄でも実際の始値と調整後終値の乖離率はほとんどの場合(アドバンテスト以外)2%未満であった。気配の観測をもう少し長くする(例えば8時59分58秒時点で乖離を判定する)ことが必要かもしれない。

なお去年の9月も上方乖離が18銘柄あったが売り建てによって収益は上げられない。(参考) 9月になにか特別なことがある可能性があるが、2年分のデータでは情報不足であるし、市場に関する知識が不足していてわからない。

今後、このプログラムを稼働させるか、稼働させるとして修正は行うか、についてはしばらく考えてから決めたい。